TOEIC900点の勉強時間は?対策のコツやおすすめ参考書を紹介

TOEIC900点 英語資格

「TOEIC900点を取るにはどれくらいの勉強時間が必要なんだろう?」

「最短距離で900点を達成する対策のコツが知りたい!」

TOEIC900点を目指すと決めても、一体いつ達成できるのかと不安になることもあるでしょう。

ゴールまでの道のりが想像できず、モチベーションの維持が難しいと感じている方もいるかもしれません。

今回はTOEIC900点を目指す方のために、必要な勉強時間や対策のコツについてTOEIC900点を取得した著者が解説していきます。

  • TOEIC900点に必要な勉強時間は900時間
  • TOEIC900点は全受験者の上位4.2%以内
  • まずは単語力の強化を優先する

おすすめの参考書も紹介しているので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

TOEIC900点に必要な勉強時間は約900時間

例えば現在のスコアを受験者平均の608点(2022年度)だとすると、900点取得までに必要な勉強時間は900時間程度だと考えられます。

これはオックスフォード大学出版局が発表した、以下の表によるものです。

引用:Oxford University Press『A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success』P.6

この表によれば、現在のスコアが550点の場合は900点取得までに725〜1050時間、650点の場合は500〜825時間かかります。

したがって、900点取得にはその中間の、約900時間の勉強時間が必要とだとわかるでしょう。

すでにTOEICの受験経験がある方は、自分のスコアに当てはめて必要な勉強時間を確認してみてください。

TOEIC900点のすごさとは?その難易度

TOEIC900点が高得点ということは分かっても、実際にどれくらいのレベルなのかがわからない方もいるかもしれません。

ここでは以下の3つの視点からTOEIC900点の難易度を考えていきます。

自分の今の実力と照らし合わせ、ゴールまでの距離感を掴みましょう。

900点はTOEIC全受験者の上位4.2%以内

TOEIC900点取得者は、全受験者のうちの上位4.2%以内と言えます。

TOEICを主催しているIIBC(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)が、2022年度の受験者のうち、895点以上を取得したのは全体の4.2%だと発表しているからです。

引用:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会『2022年度の平均スコア・スコア分布』

2022年にTOEIC公開テストを受験した97万人のうち、900点以上取得したのはほんのひと握りだったことがわかります。

英検では準1級〜1級レベル

TOEIC900点は、英検では準1級〜1級レベルに相当します。

これは以下の2つの表によるものです。

仮にリスニングセクション・リーディングセクションのそれぞれが450点だった場合、以下の表のCEFRレベル「B2」に該当します。

引用:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC(R) Program各テストスコアとCEFRとの対照表」

そしてこのCEFRレベル「B2」は、以下のように準1級〜1級の範囲に該当しているからです。

引用:公益財団法人 日本英語検定協会「英検CSEスコアとは」

有名企業や難関大学でも保有者はほんの一握り

有名企業や難関大学でも、TOEIC900点を保有している方はほんの一握りです。

日経転職版が調査した、出身大学別のTOEIC平均スコアを見てください。

順位大学平均点
1位国際基督教大学889.0
2位東京大学848.2
3位東京外国語大学847.7
4位上智大学827.9
5位一橋大学813.9
6位慶應義塾大学799.1
7位京都大学795.7
8位早稲田大学784.7
9位関西外国語大学781.3
10位大阪大学772.6
(日経転職版「TOEICスコア調査 2022」を参考に作成)

全受験者が回答した調査ではないものの、日本を代表するような難関大学でも平均スコアが900点を超えることはありませんでした。

また、同調査では平均スコアの業種別ランキングも発表されています。

順位業種平均点
1位総合商社835.3
2位投資・投信・投資顧問808.4
3位コンサルティングファーム・シンクタンク807.5
(日経転職版「TOEICスコア調査 2022」を参考に作成)

こちらも、どの業種でも平均スコアが900点に届かないという結果になりました。

特に英語を使う機会が多いであろう1位の総合商社であっても、TOEIC900点は重宝されるスキルと言えるでしょう。

人生変わる!TOEIC900点を達成するメリット

「人生変わった!」と話す方もいるほど、TOEIC900点は激レアスキルです。

具体的には、以下の3つのメリットがあると考えられます。

1つずつ確認して、勉強へのモチベーションを高めていきましょう。

就職や転職で無双できる

TOEIC900点を取得していれば、大学生は就職で、社会人は転職で有利になる可能性が高いです。

IIBCの調査によれば、TOEICのスコアを

  • 要件としている
  • 参考としている
  • 新たに要件・参考とする可能性がある

と回答した企業・団体は55.4%にのぼっています。

引用:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」p.14

また転職サイト「duda」で検索したところ、応募条件にTOEICの記載がある求人として以下のようなものが見つかりました。

求人応募条件年収
ソニー株式会社
マーケティングコミュニケーションもしくはマーケティング企画
必須条件:TOEICテスト700点以上
歓迎条件:TOEICテスト900点以上
700万円
〜1,100万円
株式会社三菱UFJ銀行
コーポレートファイナンス(クロスボーダー・シンジケートローンにかかるアレンジ業務)
歓迎要件:TOEICテスト900点以上600万円
〜1,100万円
大和証券 株式会社
【コンプライアンス部】海外コンプライアンス課要員
必須条件ビジネスレベルの英語力:
TOEICテスト900点以上
800万円
〜1,300万円
株式会社 電通グループ
【経営企画】グループ経営戦略(シニアスタッフ)
必須条件英語ベースでの実務経験:
TOEICテスト900点相当以上
702万円
〜1,200万円
第一生命保険株式会社
【IT領域】クロスボーダーM&A等海外生保事業に係る企画担当(海外生保事業ユニット)
ビジネスレベルの英語力:
TOEICテスト900点程度の英語力があれば尚可
600万円
〜1,000万円
(『「TOEIC 900点」含む 転職・求人検索結果|2023年10月2日更新』を参考に作成)

いずれも日本を代表する大企業ばかりで、年収も高水準です。

このようにTOEIC900点があれば、就職や転職で周囲に差をつけられるでしょう。

海外赴任など仕事の幅が広がる

TOEIC900点があれば、仕事の幅も格段に広がります。

前述の通り、TOEICで900点を超えている受験者は全体の4%程度に過ぎません。

したがって、特に英語力が求められる海外主張などの場面では、ほぼ確実に仕事が回ってくると考えて良いでしょう。

出張や会議などで海外とのやりとりを頻繁に行うようになれば、いずれは海外赴任の話も舞い込んでくるかもしれません。

著者も会社員時代、海外研修の要件を早々に満たしていたことを評価され、上司からさまざまな業務を任せてもらえるようになりました。

仕事の幅が広がれば実績が評価される機会も増え、さらに可能性が広がる好循環を作れます。

昇進や昇給で有利になる

TOEIC900点があれば、昇進や昇給でも有利になります。

IIBCによる『英語活用実態調【企業・団体ビジネスパーソン】2019』によれば、TOEICスコアを昇進・昇格の

  • 要件としている
  • 参考としている
  • 新たに要件・参考とする可能性がある

と回答している企業は全体の約4割です。

引用:「英語活用実態調査【企業・団体ビジネスパーソン】2019」 p.14

900点は各役職で求められる平均スコアをはるかに上回っているので、英語力が昇進・昇給の妨げになることはほとんどないと言って良いでしょう。

勉強時間が取れない!忙しい大学生や社会人のための対策のコツ

ここまでのところで、TOEIC900点は時間をかけて取り組む価値のある目標ということは納得いただけたのではないでしょうか。

ただ、数百時間もの勉強時間を確保するのは、大学生でも社会人でも難しいものです。

そこで、最短距離での達成を目指す、効率的なTOEIC対策についても解説していきます。

以下の3つのコツを参考にしてみてください。

単語はスキマ時間で優先的に学習する

日常のスキマ時間を利用して、まずは単語を重点的に学習しましょう。

TOEICでは、単語の意味がわかれば回答できる語彙問題も多く出題されるからです。

また単語の意味がわかればリスニングや長文問題でも英文を理解するスピードが上がり、全体的なスコアの底上げにもつながります。

単語学習の良いところは、他の問題演習のようにまとまった時間を確保する必要がないことです。

最近では音声学習ができる参考書も多数出版されているので、通勤・通学時の電車の中や、家事をしている時間を利用して毎日取り組むようにしてください。

1日のスキマ時間を合計すれば1時間程度にはなるはずなので、短期間でも多くの単語を覚えられるでしょう。

公式問題集で時間配分の感覚を掴む

TOEICのスコアアップには、戦略的な時間配分も欠かせません。

200問もの問題で構成されるTOEICテストは、普通に解いていては最後まで解き終わらないからです。

公式問題集を何度も繰り返し解き、時間配分の感覚を体に染み込ませるようにしましょう。

引用:国際ビジネスコミュニケーション協会『公式TOEIC® Listening & Reading 問題集 10』

参考までに、私が実際の試験の際に設定している時間配分をご紹介します。

リスニングセクション(全100問/45分)
Part1:写真描写問題6問3分
Part2:応答問題25問9分
Part3:会話問題39問17分
Part4:説明文問題30問16分
リスニングセクション(全100問/75分)
Part5:短文穴埋め問題30問10分
Part6:長文穴埋め問題16問10分
Part7:文書問題1つの文書:29問29分
複数の文書:25問25分
見直し1分

時間配分を守るポイントは、そのPartで設定している時間が過ぎたら、まだ問題が残っていても先に進むことです。

終盤になるにつれて問題が難しくなるわけではないので、どんどん先に進んだほうが自分が解ける問題にたどり着く可能性が高まります。

飛ばした問題は、最後に時間が余った場合に解答するようにしましょう。

苦手分野の対策を重点的に行う

効率良くスコアアップするには、苦手分野の対策も重要です。

ある程度問題演習をこなすことで、正答率が上がらないPartや、時間がかかるPartが浮き彫りになるでしょう。

そのようなPartを重点的に対策するようにしてください。

TOEIC対策の参考書にはPart別の対策ができるものもあるので、必要に応じて取り入れてみましょう。

もし「どのPartもまんべんなく間違えている」ということなら、Part5・Part6の語彙・文法問題から取り組むのがおすすめです。

比較的短期間で点数が上がりやすいので、学習を続けるモチベーションにもつながります。

TOEIC900点取得におすすめの参考書4選

ここでは、TOEIC900点を目指す方におすすめの参考書をご紹介します。

分野別に取り上げているので、苦手分野の克服に役立ててください。

【単語帳】『TOEIC® L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』

引用:朝日新聞出版社『TOEIC® L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』

TOEICの頻出単語をフレーズとともに収録した単語帳で、以下のスコアごとに対策できます。

  • 600点
  • 730点
  • 860点
  • 990点

スマホ音声も無料で利用できるので、参考書を開けない環境でも耳だけでTOEIC対策ができて便利です。

少し難しく感じる場合は、同シリーズの『TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ』から始めてみてください。

【語彙・文法参考書】『TOEIC® L&Rテスト 文法問題 でる1000問』

引用:アスク出版『TOEIC® L&Rテスト 文法問題 でる1000問』

TOEIC頻出の文法問題を収録した問題集です。

900点などの高得点を目標とする場合、いかに文法問題を手早く済ませてPart7の読解問題に時間を残せるかが重要になります。

1,049問を繰り返し解くことでPart5・Part6の問題傾向が掴め、解答スピードも上がっていくはずです。

【リスニング参考書】『TOEIC®テスト 新形式精選模試リスニング』

引用:the japan times出版『TOEIC®テスト 新形式精選模試リスニング』

5回分の模試を収録した、リスニング専用の問題集です。

スコアアップのための解答戦略や学習のポイントも収録されており、効率的に対策できます。

MP3形式の音声が無料ダウンロードできるので、スキマ時間を使った復習も簡単です。

【長文読解参考書】『極めろ!リーディング解答力 TOEIC® L&R TEST PART 7』

引用:スリーエーネットワーク『極めろ!リーディング解答力 TOEIC® L&R TEST PART 7』

860点以上を目標とする受験者を想定した、かなりレベルの高い問題集です。

最初に現状の実力を把握してから全486問の演習を行うことで、試験本番でPart7全問に解答し切る力を育てます。

効率良く対策してTOEIC900点を達成しよう!

今回は、TOEIC900点に必要な勉強時間や対策のコツについて解説しました。

本記事のポイントは以下の通りです。

  • TOEIC900点に必要な勉強時間は900時間
  • TOEIC900点は全受験者の上位4.2%以内
  • まずは単語力の強化を優先する

TOEIC900点は有名企業や難関大学でも珍しい激レアスキルです。

高い英語力の証明になるだけでなく、目標に向かって努力できる継続力も評価してもらえるでしょう。

私も就職・転職のときは面接官に必ず「どうやって勉強したの?」と質問されていました。

その後のキャリアアップにも有利に働くので、時間をかけて挑戦する価値はあるはずです。

皆さんも本記事を参考にTOEIC900点を取得し、人生の選択肢を広げていきましょう!

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